【第21章】成功法則と芸能界

東京にも、少しずつ慣れてきた。しかし、人の多さには、驚かされる。田舎だと、花火大会の時くらいしか、ここまでの人混みは、お目にかからないからだ。ただ、僕にとって、嬉しいこともあった。福岡で成功者の先輩たちから習った、成功者の見極め方には、統計が必要だったので、すれ違う人を観察し、自分なりの法則を積み上げて行くのが、非常に楽しかった。
あの人は、年収1000万くらいかなとか・・この人は2000万かなとか・・。
大変無礼で、大きなお世話なのだが、僕の目を養うため、成功者探しゲームは非常に参考になった。
このような、データーを元に、年商数十億の成功されてる社長さんらと話すと、やはり、統計的に合ってると確信する法則が見えてくるのだ。
正直、IT企業では、まだ統計は取れないと感じている。僕もそうだが、一瞬、成功するのは、誰でも可能な事なのだ。それを数十年継続して初めて真の法則が見えて来る。
会社の生存率は、
5年で14.8%
10年で6.3%
50年で0.000.19%
(2016年の国税庁の調べ)
である。つまり、50年生き残る会社は1万社に1社しかない。
この生存率は、総合的なバランスは、もちろんなのだが、やはり最終的には、どの角度からも愛があるか否かであると考える。
僕みたいに、愛のない経営をすると、内部的にも外部的にも、どこかショートする。自然摂理の仕組みなのだ。これを理解するには、あまりにも高すぎる代償を支払ったが、同じあやまちをしなければ、それで十分利益だと今は、解釈している。
さてさて、そんな事を考えながらも、芸能界で多数の人脈を持つSさんから、あらゆる人を紹介してもらった。
芸能、音楽のプロデューサーやタレント、歌手の方々である。テレビで活躍するタレントや歌手から、日頃では聞けないサクセスストーリーなどを聞くと大変おもしろく、人生の達成感を満たしてもらえる日々だった。
ただ、僕の予想に相反していた事に気がつく。人生の成功を象徴していると思っていた芸能界は、大変恐縮なのだが、僕の考える成功の法則に準じた人は、正直少ないと感じた事だった。あくまで、個人的主観ではあるが、歴史的に見てバクチ要素が強かったのか、いわゆる成功層ではない感じがしたのだ。(この時点ではと付け加えておく)
それでも、Sさんは、さらなる人脈を僕に提供してくれた。
ほぼ毎晩、酒場である。そして、ええええ!と思うような大手芸能事務所の役員やTV局役員など、それはそれは、こんな僕とお酒を交わしていただける事自体、嬉しくも申し訳ないくらいだった。
ただ、やはり・・。このような事を言って大変恐縮極まりないのだが、僕の描いてる、真の成功人格者は、出くわさない。
うううん、すごいのはわかるんだけど、何か違う!やはり、芸能界は特殊なところなのだろうか・・。
愛もあるし、見かけも良いし・・。ただ、一言で言うならバランスが取れていないのだ。どこか、何かが欠けている気がする。少し前に述べたような、数十億企業の成功代表者とは、少し違う。芸能界は、エンターテイメントであり、特殊な企業だからと括ってしまえばそうかもしれないが、自然の摂理には、例外などないはず。
そう考えていたある日、とうとう、その全てを覆す出来事が訪れた。
第22章につづく・・・。

渋谷の餃子屋