【第14章】選択肢

実は、300万円でも毎月の返済は足らない計算。この3.5倍を数年間毎月支払い続けなけらばならない過酷な返済金額なのだ。確かに、絶望すぎて死にたくもなる。
倒産すると、発言する権利さえ奪われ、機会損失と申し立てて過剰請求も多く、想像を絶する金額にまで膨れ上がる。
本来は弁護士などにより、このあたりを裁くのであろうが、僕の場合は、いっきに足下をすくわれたので弁護士なしで、全て自分で対応した結果だ。さらに第2章あたりで、僕は大きなミスを犯していた。それは、返済の順番である。
「今井まこと」と「代表取締役今井まこと」は、別人なのである。
個人の借金は、当然、自己破産でもしない限り、生涯背負う。
ただ、代表取締役のついた借金は、会社がなくなると同時に消滅する。
つまり、会社が存在しないのに、律儀に返済し続け、肝心な生涯まとわりつく借金を後回しにしていた。ここを知って入れば、かなり返済額が少なくて済んだ。
また、なぜ自己破産しなかったのかと言われるが、自己破産するにもお金が必要なのだ。そのお金がなかったのと、保証人に親父や仲間が居たため、どうしても出来なかったのだ。
よって、返済は、保証人に迷惑をかけない部分から、攻めるべきだったのだ。
なぜ、この返済の順番が狂うのか・・・。
それは、回収担当の怖い順である。
ここでわかったのだ。回収担当もこうなる事は、プロだから初めから知っている。
この返済順の上にできるだけ立つように法ギリギリで脅してくるのだ。この時代に?と思うだろうが、これは事実である。そして、どの会社がどれだけ、怖い取立てをしてくるか、僕の中で企業別ランキングがある。いつか、タイミングがあれば公開したいものである。(笑)
よって僕は、まず、保証人がある借金から対応した。もう時間も経過していたので、僕の借金ではなく保証人側に受け渡されていたのだが、ここは誠意と謝罪で話し合い、カバーして返済して行った。
よく、「今井さんだからできたんだよ」とか「システムができて良かったね」など言われるんだが、それがお世辞でなく、本気で思っているのならちょっとだけ意識を改善してもらいたい。
人間は窮地に追い込まれると、可能性が無限に拡大すると言う事を声を大にしてお伝えしたい。
借金は、「返そうか・・・やはり、返さないか・・」なんて、選択肢はない。
返すしか手段がない!選択など、できないのだ。
この状態と同じように、目標をやると定め、その他のオプションも選択肢がない状態に置いた時。
自分の新しいパワーに気がつくのだ。
つまり、逆に言えば「自分にはできない。」は、すでに選択肢だと言うことだ。
その成長を妨げる自分を解放すると次の手段が見えてくる。
例え、僕が、システムを作れなくても、多分、全国ドッグトレーナーチェーンか、全国大道芸人協会など、展開して似たような形で対策を打っていただろう。
そう!打つ手は無限である。
諦めなかった時のあなたの底力を侮ってはならない。
あなたが目標を成し遂げれない理由。
それは、幸せが多すぎて選択肢が多いだけなのだ。力は自分の見えていない所に格納されている。
話を物語に戻そう。
なんとか、お金も貯蓄できたので、まずは住まいをと物件を見て回った。
しかし、ここだと決めて契約するも、審査が通過しない。
一度信用を失うと不動産・携帯電話・クレジットカード・ローンは、通過できない世の中だ。
お金があっても、家が借りれない。
しかし、困った時はこう言うのだ。
「打つ手は無限!打つ手は無限!」
大家だって人間、信用のない見たことも話した事ない人間に貸すわけがない。
大家に直接交渉すればいい!
審査に落ちた不動産会社に、直接大家さんへ相談させてくれとお願いをした。結構しつこく言ったので、不動産側も渋々、電話で聞いてみてくれたのだ。
みごと、交渉の場を作ってもらえた。
大家の所に行き、僕は、素性を全て正直に話した。そして、絶対に迷惑をかけない事、通常より先に3ヶ月分の家賃を払っておく事、支払い状況を毎月ここに来て報告しに顔を出すなど、こちら側から条件を提示した。
大家さんは、それならばと、にっこり承諾してくれた。
交渉は、ちゃんと相手に理解してもらえれば解決する事がほとんどなのだ!そして、この大家さんから2つの物件を借りた。住まいと新しい会社の事務所である。
僕は、新しい会社を作る準備に入りリベンジの旗を上げた。
第15章へ続く・・・・。

再スタートした住まい